前之園賞受賞者一覧

              第6回 前之園賞    (授賞式2016年4月1日)

【神戸大学医学部附属病院・放射線腫瘍科】 佐々木 良平 特命教授

『新規医療機器開発を軸にした体内空間可変放射線療法の基礎的、臨床的開発』

 粒子線治療を含む放射線療法は低侵襲治療の代表で有り、近年人口の高齢化も伴ってその需要と期待は更に高まり、放射線療法では IMRT、定位放射線療法などの新規技術の導入で根治治療における有害反応の頻度が極めて低減し、適応が著増している。しかしながら腫瘍と正常臓器が隣接する場合には根治線量を照射すれば重篤な有害反応に繋がるリスクが高く、既存の治療法のみでは解決できなかった。放射線腫瘍科や肝胆膵外科による神戸大学チームが推進するスペーサー留置粒子線治療は、体内空間可変治療と命名され、神戸大学病院・兵庫県立粒子線医療センター共同で吸収性スペーサーの世界初となる臨床試験が展開されており、世界的にもその実績と先駆性は卓越している。これまで根治治療が困難であった切除不能膵がんや胆管がんなどへの展開が期待されている。また本治療は粒子線治療のみならず定位放射線療法への応用が期待され、広く普及すればこれまで非適応であった根治治療を実現可能にすることも可能である。

 佐々木特命教授は、肝胆膵外科等との共同研究の中でスペーサーを用いた粒子線治療に関してオールジャパンで開発する研究体制を組織し、世界でも先駆的に外科・粒子線融合治療の開発を実行している。

※2016年4月時以前の記載内容となっています。

【神戸大学医学部附属病院・腎泌尿器科学分野】 日向 信之 講師

『低侵襲手術における手術支援システムの開発および新記術式の開発』

 高齢化社会の進展により医療現場への要求がより高度化・多様化する中、身体への負担を軽減する低侵襲手術への期待が膨らんでおり、これまで神戸大学において泌尿器科悪性腫瘍に対する骨盤内手術において根治性を損なわず術後の機能損失を低下せしめる事を目的とし、肉眼解剖学的あるいは組織形態学的研究を行い、これらの手術における操作の解剖学的根拠を明らかにしてきた。

 また手術の質を均てん化しラーニングカーブを短縮するための手術教育および指導法を開発し、三次元モニターを用いたロポット支援手術における教育効果やロボット支援手術における術者に対する遠隔教育システムの有用性につき明らかにしてきた。

 根治的前立腺全摘除術、根治的膀脱全摘除術、ロボット支援根治的前立腺全摘除術、ロボット支援腎部分切除術などの泌尿器悪性腫瘍手術に関し、いずれも教育的ビデオを報告し、これらの手術に関しては我が国において先駆的な役割を果たしている。

 日向信之講師は泌尿器科悪性腫瘍手術の領域、特に骨盤内解剖学に基づく術後機能損失の病態の解明や、新規手術術式の開発に独創的で優れた業績を上げてきました。特に前立腺悪性腫瘍、膀胱悪性腫瘍に対する根治術を行う際における未解明な問題点を明らかにし、骨盤内機能温存手術の分野において国内を代表する第一線の臨床医として活躍されております。また、低侵襲手術における三次元立体視や遠隔指導などの新規教育システムの開発を行い、手術教育分野においても多大な貢献をしております。

※2016年4月時以前の記載内容となっています。

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